2024年4月のラインナップ

 春休みにG.W.と休みが多くて大型作品が多いときは、作品数少なめ。
 それでもシネマシティらしい個性的な作品、ちらほら散りばめて。

 4月にシネマシティでもっとも推したいのは『ニュー・シネマ・パラダイス』35mmフィルム上映
 映画がデジタル上映に切り替わって10年以上が経ち、フィルム映写機を備える映画館も激減。新しいフィルムが焼かれることもほぼ無く、新しい映写機が作られることもなく、配給会社は現存のフィルムの保管をあとどれだけ続けてくれるか。
 そんな「変わり行くもの/失われ行くもの」 に深い愛情を寄せて描かれる、映画館映画の最高峰が本作。あの伝説的なラストシーンは、デジタルで観ても、なにか大切ものがこぼれ落ちてる気がする。

© 1989 CristaldiFilm 

 昨年末に発表されるもようやく実現『ストレンヂア 無皇刃譚』は、2007年の作品ながら今もその殺陣描写が語りぐさの剣戟アクション。予告通りの【極音】で。

(C) BONES/ストレンヂア製作委員会

 『ソウルフル・ワールド』も激推ししたい逸品。これが映画館で上映されずに配信で終わらされるなんて世界中の映画ファンへの罪だと思ったくらい。
 『カールじいさんの空飛ぶ家』『インサイド・ヘッド』などを手掛けてきた、アニメーションの表現領域を拡大し続ける天才、ピート・ドクター監督の最新作。
 マンホールに落っこちて突然死んでしまったジャズミュージシャンを目指す音楽教師が、死後の世界でその不条理な運命を受け入れていくまでの物語。ただですら素晴らしい音響設計に加え、音楽要素ありということで【極音】でいくしかないでしょう。

(C)2020 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 感度の高い映画ファンに注目していただきたいのは、『新しき世界』『The Witch/魔女』シリーズで驚かされたパク・フンジョン監督の新作『貴公子』。この監督、いずれハリウッドに召喚されるのではないか、と思わせる突出した才能。
 今回はキレキレアクションというより、ノワール、ミステリのジャンル。こちらでも才能を発揮している。

(C)2023 GOLDMOON PICTURES & STUDIO&NEW. All Rights Reserved.

 『クラユカバ』『クラメルカガリ』は、江戸川乱歩×スチームパンクといった世界観で繰り広げられる探偵アクションアニメ。『クラユカバ』はクラウドファンディングで制作された作品で、2021年に『クラユカバ 序章』が完成、そして今回満を持して本編公開となる。
 『クラメルカガリ』はそのスピンオフの完全新作。今回この2本が同時公開となる。講談師の神田伯山が主人公の声をつとめるのも話題。

(C)塚原重義/クラガリ映畫協會

 巨大生物と言えばシネマシティということで使命感にかられて『ゴジラ×コング 新たなる帝国』は【極爆】でかますが…ピンクいゴジラとか、メカハンドのコングとか、心配要素多し。
 このポスター見ると、ゴジラとコングの青春友情映画にしか見えないんだけど、これ合ってる!?
 バディものなの? キャッチコピーの一線を越えるって、どういう意味? そういう意味?
 …これは観ざるを得ない。
 

(C)2024 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

 ほかにも今月は《月2》のアニオールは前回に続き「スペース☆ダンディ」シーズン2に加え、「この素晴らしい世界に祝福を!」1期を。

 G.W.と言えばの『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』も今年もすごいことになるだろうし、同時期に『劇場版ブルーロック EPISODE 凪』もあって、G.W.はアニメが席捲する予感。

 お楽しみに。