3/10(金)公開『モアナと伝説の海』【極上音響上映】音響調整完了。心奪われ、言葉失う、極音中の極音。

　波の砕け。風の踊り。
　打楽器の律動。歌声の旋律。

　腕の良い調律師が手がけたピアノが鳴らす和音のように、それらの音が完璧に調和し、劇場という闇の中に古代の南国の鮮やかさを現出させる。

　水の微細。空気のパースペクティヴ。
　鼓面の震動。衣服のテクスチャ。

　もはや現実よりも存在感を持つ映像のリアリティと、海鳥の飛行のように劇場空間を束縛なく舞って世界を描き出すサウンドが、高い次元で融合した得も言われぬ快楽に、音響調整という「仕事」を忘れてしまうほど。

　【極上】という言葉では、なお足らない。
　これまで100本、200本と行ってきた【極上音響上映】史上、最極上クラスのサウンドクオリティ。

　古の荒ぶる神をしずめるために海に選ばれし少女が大洋に船をこぎ出す。
　『風の谷のナウシカ』型アクションプリンセスが繰り広げる、大海洋神話アドベンチャー。
　もちろんミュージカルシーンもたっぷり。

　映画を映画館で観る幸福とは、何か？
　今作はその答えのひとつだと言いたい。
　

追記：
　大抵の場合、音響クオリティが下がってしまう「吹替版」ですが、さすがディズニー作品。吹替版も素晴らしいです。
　また『マッドマックス　怒りのデス・ロード』ファンは、「コレ、アレじゃね!?」というシーンがあるので必見。