2023年8月のラインナップ

 こんな暑すぎる夏、映画館に行かないと熱中症になっちゃうよ。

 8月は巨匠・伊福部昭の音楽が激カッコよく、日本で初めて巨大ロボが登場したと言われる特撮『地球防衛軍 4K』と最先端映像で巨大ロボットが暴れまくる『トランスフォーマー ビースト覚醒』の強烈なコントラストで始まる。

 そして同日にはもうひとつ、洋邦3Dアニメのコントラスト、その手描きの風合いをもった新たなピクサーのCGアニメ表現に目を奪われる『マイ・エレメント』と、ドラえもんに続きついに3D化した『しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 ~とべとべ手巻き寿司~』

 『レディ・バード』『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』と監督デビューして2本立て続けに驚くほどの傑作を放ったグレタ・ガーウィグ監督の新作はマーゴット・ロビー主演でバービー人形の世界を描く『バービー』
 これビジュアルめちゃくちゃキャッチーだし、ガーウィグ監督なら中身も裏切らないという期待もあり、映画ファンは絶対観たいだろうと思うので、スマッシュヒットの予感。

 GENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーが自分自身を演じることで話題のホラー映画『ミンナのウタ』はGENERATIONSの曲が流れるということで、まさかの【極音】チャレンジ。

 アツいのは天才クエンティン・タランティーノ監督のドキュメンタリー『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』。原題の『QT8』からわかるように9本目の作品である『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』前までのドキュメンタリー。
 この公開を記念してタランティーノ監督がこの映画で世界を変えてしまった『パルプ・フィクション』を【極音】で2週限定公開。聴きたいでしょ、シネマシティで「Misirlou」。
 好評なら来月に他の作品もやっちゃおうかなと企み中。

 音楽のために生まれた映画館シネマシティが夏に放つ、大型音楽企画が「シネマシティ ライヴ・フィルム・フェスティヴァル2023」。佐野元春、レベッカ、TMNという時代を彩った大物アーティストの全盛期を味わおうというもの。チケットはすでに外部販売で終了していますが、わずかに残った分は劇場でも8月11日(金)から販売します。

 そして特撮ファンなら見逃すわけにはいかない、特撮の神様レイ・ハリーハウゼンの代表作のひとつ『アルゴ探検隊の大冒険』がスクリーンで観られるなんて、最高かよ!
 ギリシャ神話の怪物たちが、ストップモーションアニメーションで悪夢的に動き回る幻覚剤的映像!
 CGなんかじゃとても敵わない、これぞ特撮の魔術。

 鳥山先生の隠れた傑作がついにアニメ化『SAND LAND』は、舞台が砂漠に戦車が出てきて、音響監督が岩浪美和さんと来る、シネマシティ案件。

 とにかくヤバいものが好きな方に、間違いなく今年度最高の激ヤバとおすすめしたいのが『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』。ヤバいものしか作ってきてない品質保証のデイヴィッド・クローネンバーグ大先生の新作。
 人類が環境に対応して痛みを感じなくなった近未来。痛みをなくすだけでなく、さらに進化が加速してしまう症候群の男は、定期的に新しい内蔵が体内に生まれてしまうのだが、元外科医の女性とタッグを組んで、その新しい内蔵に美しいタトゥーを施したうえで、観客をあつめて公開で摘出手術をしてみせるというパフォーマンスアーティストなのだ。
 何がなんだかわからないと思うが、だから素晴らしい。手術するための機械が宇宙生物の死骸にしか見えないのも素晴らしい。

 人類史上いちばんかわいいオードリー・ヘップバーンがいちばんかわいい時の『ローマの休日 4Kレストア版』はまたスクリーンで観られるだけで幸せ。
 不意に庶民の生活に紛れることになった王女様の、無邪気にはしゃぐ姿のただただかわいいのに加え、しかし王女として生きていかなければならない宿命を受け入れて覚悟を決めた凜とした美貌は、涙でまともに観られないほど、哀しくも気高く輝いて、尊い。永遠に輝き続ける、映画の貴石。

 シークレットは、アニメ作品。情報解禁までしばらく時間ください。

 7月からの大型作品があるので、本数は多くないけれど、楽しみな作品続々。
 炎天下を避けて、空調の効いた映画館でお会いしましょう。