3月は音楽の月。それはシネマシティの月ということ。
話題作だけでも、超ロングランミュージカル待望の映画化『ウィキッド ふたりの魔女』、いよいよ公開の実写版『白雪姫』、『グレイテスト・ショーマン』の監督が90年代を席捲したイギリスのボーイズバンド「Take That」のメンバー、ロビー・ウィリアムズの激動の半生をなんと「猿」として描く衝撃のミュージカル『BETTER MAN/ベター・マン』、性転換をして女性として生きたいと願う麻薬カルテルのボスとその弁護士のドラマをミュージカルを交えて描く本年度アカデミー賞最有力候補のひとつ『エミリア・ペレス』など、まさに次々と。
そこにさらに散りばめる、シネマシティオリジナル音楽映画企画。最高にアガるスプリング。
まず1週目の注目作はこれ『バッドランズ』。
聞き慣れないタイトルだと見逃したら、映画ファンとしては悔いても悔いきれないことになる本作は、これまで『地獄の逃避行』の題で知られてきた名匠テレンス・マリック監督の映画史に輝く傑作デビュー作。ついに日本で劇場初公開。
殺人を犯した男と、その恋人の逃避行。後の同様の作品に影響を与え続けている。
4月4日(金)公開の、マリック監督『天国の日々 4K』もシネマシティで上映します。
またミュージカル映画史に刻まれる、素晴らしい作品が誕生。
日本でも劇団四季によって20年近くロングランされているので、すでに広く知られている作品だとは思うが、映画ならではの細部の描写と、世界の作り込みに魅了される。
緑の魔女を演じるのはミュージカル舞台女優出身のシンシア・エリヴォ、良い魔女は世界的ディーヴァ、アリアナ・グランデ。
シンシアは当然として、アリアナのいつもと全然違う、ちゃんとミュージカルの歌唱スタイルにいきなり魂をつかまれる。
前作『イン・ザ・ハイツ』でも軽快でスピーディで、ファンタスティックな演出が光っていたジョン・M・チュウ監督は間違いない手腕を発揮しており、アカデミー賞複数ノミネートも納得の出来。
シネマシティではスマッシュヒットしたシリーズ第2弾の『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』を今回も【極音】で。
絵巻物を意識した、強烈なアートスタイルと、和紙に描かれているというテクスチャで比類無き伝奇世界を繰り広げる本作。アニメ表現の可能性を感じるためにも、お見逃しなく。
ギレルモ・デル・トロ監督、細田守監督、押山清高監督、藤本タツキ先生など、そうそうたる神クリエイターが絶賛する、ラトビア共和国産のアニメ『Flow』。
世界が海に沈んだ、ポストアポカリプス的世界をさまよう黒猫を、一切のセリフなしに描く。
ゴールデン・グローブ賞を筆頭に、世界中のアニメ映画賞を獲得しまくっている、絶対に見逃せない傑作。
シネマシティでは本作を激推すため、かなりのムチャを言って上映にこぎつけ、台詞がないからこそ【極音】で贈る。
『ロングレッグス』というタイトルだけ聞いて、おお、ニコラス・ケイジもすっかり丸くなってついに「足長おじさん」やるのか、と思ったら、とんでもねえ連続殺人足長おじさんで草。
アメリカのヴァラエティ誌が選ぶ「2024年ベストホラー第1位」に選出されたという、期待作。
今回もやっちゃってくれ、ニック。
1年の延期を経て、いよいよ公開、実写版『白雪姫』。
監督が先日シネマシティでも公開したひねりの利いたラブストーリー『(500)日のサマー』、『アメイジング・スパイダーマン』、天才少女とふつうに育てたい叔父さんを描いた感動作『gifted/ギフテッド』など、良作を連発する才能、マーク・ウェブ監督の最新作なんだから、映画ファンとしては期待。
色々言われていても、レイチェル・ゼグラーの歌が素晴らしいことは間違いないので【極音】で。
…それ比喩で言ったんですやん。
そうロビー・ウィリアムズが思ってないか心配でもある、実在のポップスターを「猿」として描くという斬新すぎるスタイルに目が離せない『BETTER MAN/ベター・マン』。
予告からも伝わる『グレイテスト・ショーマン』でも魅せた、テンション爆アゲのダンス演出に、これは楽しいの間違いなしと確信。そりゃもう【極音】で。
『パラサイト 半地下の家族』で世界を制したポン・ジュノ監督が続いて放つのは、ブラックなユーモアがきいたSF。
一発逆転を狙ってついた危険作業の仕事は、死んだらまた生き返らせられて、できるまで働かせるという労働者使い捨てブラック仕事。そんなミッキーの前に手違いでもうひとりのクローンが現われて…。
本年度アカデミー賞最多ノミネート作品が、これ『エミリア・ペレス』。
『真夜中のピアニスト』『君と歩く世界』のジャック・オーディアール監督最新作は、意表をつく物語と演出が冴える、痛快作。
音楽モノってことで、ご期待に応えて【極音】で。
ほかにも紹介しきれない面白そうな作品続々。
春も映画館でお会いしましょう。