フィリップ・K・ディック!
この偉大なるSF作家の作品は『ブレードランナー』『マイノリティ・リポート』など数多くの傑作SF映画を生み出してきた。
今作『トータル・リコール』もそのひとつ。
ディック作品の主題である「なにが真実で、なにが虚構か」という問いが、ポール・ヴァーホーヴェン監督の過剰なケレン味によって、さらに強化。
ヴァーチャル旅行マシンで火星に行ってみようと乗り込んだ男が、突然巻き込まれる巨大な陰謀。
いやでもこれ…ヴァーチャル世界の話だよ…ねえ、え…現実? どっち?
これはノーラン監督の『インセプション』と同じ構造。
夢の世界に深く深く降りていくうちに、どこが「基準現実」か曖昧になってくる。
そもそも「現実」なんて、あるという思い込みのひとつでは…?
とかく強烈なヴィジュアルが連発され、深く考えるのがどうでもよくなってくるが、これこそがまさにテーマそのものとなるという、すごい傑作。
シネマシティ終了日が権利切れの、ガチの日本最終上映。
スクリーンで観られる最後の機会を、見逃すな。
上映時間確認、Web予約はこちら https://res.cinemacity.co.jp/TicketReserver/studio/movie/2846
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