30年という途方もない年月が流れ去ったとしても、なお聴く者の心を抉り続ける永遠の名曲「One more time, One more chance」。
山崎まさよし本人が主演、一度は栄光を見たミュージシャンで、今は田舎に暮してキャベツを栽培する花火が、ヒバナという少女と出会い、やがてその出会いから「One more time, One more chance」が生まれていく過程を描く、音楽恋愛映画の傑作『月とキャベツ』。
大ヒットした実写版『秒速5センチメートル』の劇中でもリスペクトとしてレンタルビデオ屋の場面で登場した本作『月とキャベツ』。
まさにこの曲が作られていく過程を描いた本作は、それが流れる『秒速5センチメートル』よりもなお生々しく、鋭利に心のずっと奥に響き渡る。
今上映は、今となってはロストテクノロジーになりつつある、35mmフィルム上映。
映写機を持つ映画館は数えるほどで、それを扱える技師もわずかである35mmフィルムで撮られた映画を、正式に35mm上映で観られる、あと数えられるほどしか味わえない幸福を、この機会に。
今回は、おそらくは海外の映画祭のために現像された、英語字幕つきのフィルムで上映。
一般の映画館で上映されてなかったためか、傷も汚れも少ない、非常に高いクオリティで上映できることが判明したための選択。
1年だけでも数万、数十万という曲が作られていく世界で、30年以上歌い続けられる曲の持つ力と、それを引き出した篠原哲雄監督の手腕。
いくら優れた俳優であっても、これからも何十年も歌い継がれるであろう伝説的な名曲を自ら作り出して歌った本人よりも上手く表現できるはずはない。
…つまり、これは本物の音楽映画。映画ファンなら、スクリーンで観ずには、死ねない。
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