1993年、ハリウッド映画史上初めて、ビデオゲームを原作とする作品が作られた。今や当たり前となったゲーム原作映画だが、すべてはここから始まった。
しかしこれは当時、世界中から叩かれた。
「マリオちゃうやん」
なるほど、イタリア系アメリカ人の主人公であるマリオを、イギリスの名優ボブ・ホスキンスが演じている。
そしてその弟のルイージはジョン・レグイザモ。南米コロンビア出身である。
「兄弟ちゃうんかい」
いや、それは20世紀の発想だ。今時代は追いついた。
「クリボー? キモ。菌類やん」
待っていただきたい。ならばあのままの、くりくりお目々の歩く巨大キノコを出せば良かったのか?
マリオがボブ・ホスキンスの時点で、この作品の「リアリティの基準値」は上がっている。
表現に真摯に取組むのであれば、襲い来るキノコ=はびこる菌類、この選択は正しいのではないか?
併せて、攻撃してくる亀=人型爬虫類の読み替えも見事である。
そして巨大な陰謀組織を率いる者とは、リアルにおいてどういう者か?
これは当然、ギャングやマフィアのボスのような人物ということになろう。
つまり大魔王クッパ=デニス・ホッパー。完璧なキャスティングだ。
君は傑作『ブルー・ベルベット』を観たか?
クッパがホッパー、ライムまでキまってる。
30年の時を経て、曇り無き眼で見返すとき、本作をダメ映画などと切り捨てることが果たしてできるだろうか? あなたの、その目で検証していただきたい。
今作なくして『ザ・スーパーマリオ・ブラザーズ・ムービー』の巨大な成功はなかったはずだ。いろんな意味で。
映画ファン、ゲームファンなら、この伝説の1本を見逃すな!
映画館で観たというだけで、10年くらい飲み会で使える話題になるぞ。
あと吹替版に加えて字幕版の上映も行うのは、福岡での限定上映以外、日本中でシネマシティだけだ。
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