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どうしても、観てほしい映画があります。
すべての作品に平等であることが、映画館として正しいあり方かも知れません。
でもそのことを頭ではわかっていても、ひとりの映画ファンとして、感情まで抑えつけるのは容易ではありません。
どうしても観てほしい、その映画の題名は『この世界の片隅に』。
かの傑作『夕凪の街 桜の国』を描いた、こうの史代さんの漫画を原作としたアニメーションです。
舞台は広島、時代は戦中。
過酷な状況の中でしかし、明るく毎日を生きるひとりの若い女性の物語です。
おだやかな描線と色彩、あたたかなユーモア、イデオロギーに囚われずに日常感覚から立ち上げた生活描写。
しかし、やわらかな絵の印象の通り、物語がただ幸福のうちに閉じることはありません。それが歴史的事実です。
癒やされることよりもむしろ多く、胸をかき乱されることでしょう。
気持ちのいい休日に、つかれた学校や仕事の帰りに、多くの方はこの映画を観ようとは思わないかもしれません。
だからこそ、シネマシティが出来ることを、尽くさなくては。
こんなことをする意味があるのかと嗤われてもいい。
騒ぎ立てることで、ひとりでも多くの人を振り向かせられるのなら。
『この世界の片隅に』。
どうしても、あなたに観てほしい映画があるのです。
★『この世界の片隅に』を【極上音響上映】で。
ベテラン音響家に今作を上映するのに最適な音に調整してもらって贈る【極上音響上映】を行います。
今回はあえて、シネマ・ツーではなく、シネマ・ワン/fスタジオにて行います。
なぜなら今作は手書き感あふれる、やわらかい絵の筆致こそが魅力であり、また舞台も70年以上前の時代です。
fスタジオはシネマ・ツーと同じサウンドシステムを備えながら、そこにさらにアナログのプロセッサを挟むことで「デジタルの先のアナログ」を目指して作られた劇場です。
つまり、まさに今作の作風に最適なのです。
水彩絵の具のように澄んだ音を、やさしく、胸の奥にお届けします。
★この他にも計画があります。まだまだできることがあるはず。お楽しみに。