立川シネマシティの映写チーフ、雨宮が【雨音 AMEOTO】のサインをつけた、個人的に音推しの作品についてコメントしていく【アメオトノオト】。
『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』
aスタジオ/2023年7月21日~7月27日/35mmFilm:VV:DTS-SR
デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム! (cinemacity.co.jp)
すこし前の事ですが、『サマーウォーズ』と『時をかける少女』の細田監督の作品をするよと番組編成部に言われて、なぜその作品の中に『僕らのウォーゲーム!』がないんだ!!!って駄々をこねたら、わざわざ交渉して取ってきてくれました。ありがとうございます。
私自身がデジモンファンであり、子供のころ観た『僕らのウォーゲーム!』の面白さは大人になっても事あるごとに語ってきているぐらいに大好きなので、皆様に当時と同じフィルム上映で届けられる事にとてもやりがいを感じています。デジタルモンスターや初代プレイステーション、ワンダースワンを引っ張り出したいですね。ワールドとデジタルカードアリーナが好きです。
さて、【AMEOTO】として紹介させてもらっていますが、音が良い作品というよりは珍しい音という意味合いが強いです。
35mmフィルム上映が全盛期だったころは主にドルビーデジタル、俗にいうAC-3というデジタルトラック(私たち現場ではSRDと呼んでいます)とドルビーSRというアナログトラックがメジャーであり、そのライバル的な存在でDTSの音声フォーマットがありました。
このDTSの音声フォーマットにもDTSデジタルとDTS-SRというものが主にあり、DTSデジタルはドルビーデジタルよりも音の圧縮が少ないので今のDCPの音に近い結構凄い物でした。ただ上映するのに少し特殊な設備が必要なためだったり準備がちょっと面倒だったためか、あまりメジャーな設備としては広まらなかったように思います。
今回の『僕らのウォーゲーム!』のDTS-SRというのは、ドルビーSRとシステム的な互換性があるアナログトラックです。ドルビーSRができればDTS-SRもできます。
DTS-SRは当初、あまり予算のない映画に使われていたイメージがあります。実際ライセンス料が安いので低予算邦画は大体DTS-SRだったような記憶がありますね。
そして昨今上映される名画のフィルム上映などはそもそも大作が多いためかDTS-SRってあまり無いっていう印象があるため、ちょっとレアです。
予算があると大体ドルビーSRかドルビーAといったサウンドフォーマットが使われています。
さらに古いとMONOだったりするのでDTS-SRってあまり見かけなくなっちゃったな~と思います。
低予算というと、音が悪いのではという印象を持つかと思いますが、そんな事はありません。
同クラスのドルビーSRと比較したとしてもちゃんと作られていれば遜色ないものとなります。
正確なフォーマットの違いは忘れてしまいましたが作品によってはDTS-SRの方があってる気がすると思うこともあります。
ちょっと小難しくなってしまいましたが、ちょっとレアな音を『僕らのウォーゲーム!』で堪能してもらえたらと思います。
日本一贅沢なシステムで聴く「butter-fly」と「Brave Heart」は一生の思い出になるのではないでしょうか。
あといっぱい見に来てもらえれば02もできるかもしれません。