立川シネマシティの映写チーフ、雨宮が【雨音 AMEOTO】のサインをつけた、個人的に音推しの作品についてコメントしていく【アメオトノオト】。今週は『TOVE/トーベ』を推す理由を書いていこうと思う。
『TOVE/トーベ』
kst/上映中
https://res.cinemacity.co.jp/TicketReserver/studio/movie/2267
誰もが知っているだろう、「ムーミン」の生みの親であるトーベ・ヤンソン。その半生を描いたこの作品。
音楽映画でもアクション映画でもないこの映画を音でオススメするのは若干疑問に思うのではないだろうか。
この作品でのお勧めポイント。それは「言葉」を聴いてほしい。
あまり北欧の方の言葉は詳しくないが、何か国語かが入り混じっていて、スウェーデン語をメインでしゃべっているそうだ。最初は独特な言語だな~と思っていたぐらいだったのだが、聴いているうちに、この独特の発音は面白いと思って「音」として楽しんで貰いたいと思った。
具体的に何が?という話だが、ちょっとねっとりしている発音で、フランス語みたいな湿っぽい音が良く入っている。英語みたいにシャーシャーした感じではなく、ヌルヌルして重い感じがする音が多い。聞いた限りでは水滴音の様に、上から下の帯域の音が多く入っている音だ。という事は、スピーカーシステム的にも試される音であり、しっかりした再生ができなければちゃんとした発音にならない音になる。
かなりニッチな面白さだとは思うが「うん、実に面白い音だ」と個人的に思ってしまった。
会話劇が大事なこの作品。頭の片隅にでもそんな事を置きながら観て貰えれば新たな発見があるかもしれない。